サボテンのように🌵

潮の香りが漂いピカピカ光る海の近くで、ある夫婦は共に美容院を経営してました。子供は高学年と低学年になる男の子二人で、四人暮らしでしたがいつの間にか、夫婦間にスキ間ができてご主人は家に帰らなくなりました。そんなある日、奥さんは離婚と言う決断をしました。離婚にあたって上のお兄ちゃんは奥さんの方に、下の弟のボクはご主人が引き取ることになりました。下のボクはとても悲しくてお母さんに言いました。『お母さん、お父さんも仕事で疲れているのだから、たまに優しい言葉をかけてビールをついであげたらいいのに』と。それでもお母さんの気持ちは変わりません。

それから間もなく、お母さんの誕生日の日が来ました。ボクはお母さんにサボテンをプレゼントして言いました。『学校の先生に植物で一番手がかからないのは何ですか?って聞いたらサボテンは殆ど水遣りをしなくてもいいって教えてくれたんだ。ボクも、ボクも…サボテンのように手がかからないようにするので、ボクも、お兄ちゃんと一緒にお母さんのところへ連れていってください…朝のゴミだしやお手伝いもちゃんとします…』

お母さんは涙で目がかすみながらもボクをシッカリ抱きしめました。

サボテンのように

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